日本のエッセンシャルオイル

kuzuha

2013年10月05日 10:02

檜(ひのき)のとてもいい香りに惹かれて、rumiaでもみなさまにお薦めしようと思い、お勉強中です。

このエッセンシャルオイルを作り上げた方が書かれた本があります。





日本の森から生まれたアロマ



この本は、2010年に出版されたもので、それから3年ほど経ったことになります。

開発時の苦労話や、それを通して木から教えられたこと、昔の人の知恵や伝承を参考にすると助けられた話、日本の木々から抽出した日本独自の木々からのエッセンシャルオイルの分析から分かった驚くべきことやその可能性などが書かれています。

エッセンシャルオイルは、分析したら、その全ての成分がすぐに分かる訳ではないんですね。また、化学合成物と違って、様々に含まれる成分が共に存在することで、単独で存在する時には考えられないような効果があったり、季節やそれぞれの木の個体によって、そのバランスも変わるという、まさしく“生きている存在”からのエネルギーを分け与えてもらったもの。

日本は、エッセンシャルオイルの愛好家が世界一多いそうです。

しかし、使用するエッセンシャルオイルは、ほぼ全てが海外産。また、そのほとんどが自国ではなく、第三国で作ったものを販売している。

また、日本のアロマ業界はすでに世界一にも関わらず、使われている精油(エッセンシャルオイル)の出処がはっきりしない(どこでどのように作られているものなのか。化学肥料で育てられていないか、オイルの材料となる植物を育てるのに農薬を使っていないか、抽出時に薬品を使っていないかetc.が明確にされていない)ものがほとんど。

精油というのは、植物の生命力を濃縮したものと言える。その生命力を人間が分けてもらうために、いただいているのがエッセンシャルオイル。

元となる植物が、化学肥料を与えられた育てられた場合、安易に栄養を摂取しているということで、人間で言えば過保護状態。過保護な状態での生物は、一般には生命力が不足する。

農薬を散布すれば、精油の中に残留する可能性もある。

また、野生の植物から採取されたものは、栽培されたものよりも、たくましい(そりゃそうだ)。



しかし、これまでの日本の文化では、精油として成分を抽出して使うという文化がなかったので、歴史を紐解いても、

 ・ヒノキのかんなくずを口に入れると、体の調子がよくなる。特に二日酔いの時に、いっぱいかむと治る

 ・木の伐採に疲れると、きこりはミズメザクラの樹皮を肩に貼る

 ・千利休がクロモジの楊枝(ようじ)を使っていた
 
 ・日本の一部の地域では、クロモジを歯ブラシとして使っていた


などなど、木や葉っぱをそのまま使うものばかりで、そういう伝承や効能を聞いて、エッセンシャルオイルを抽出してみると、精油としてはほとんど抽出できなかったり。

そのため、エッセンシャルオイルとしての使用方法は、まだまだ研究途中だし、成分も効能も研究中だと言います。


でも、興味深いことは、今世界で絶滅を危惧されているローズウッドの主成分のリナロールの代用となるアロマが日本のクロモジから抽出できるだけでなく、他にも多様な成分を含んでいて香りが複雑なんだそうだ。


また、抗菌性はもちろん、クロモジは、大腸菌、サルモネラ菌、そして、黒カビ菌などをはねのける。

★リナロールは、香りのよさから、化粧品や香水などの香料として多く使われ、大量に含むローズウッドは合成香料ができるまで過剰に伐採されていて、アマゾンで絶滅を危惧されている(ローズウッドは(ギアナからの輸出はカイエンヌという都市から輸出されたため)別名カイエンヌ油と呼ばれ、アマゾン熱帯林の一部にあたる仏領ギアナで算出される) 

すごいでしょ(。´・ω-)bネッ


しかし、使ってみると、海外産より、日本の精油は香りが弱いような気がしました。

そのため、アンシェントメモリーオイルと一緒に入れると、せっかくのいい香りが全く分からなくなるので、香りのサンプルとして、同封できないことに気づきました。

そしたら、そのこともこの本に書いてましたw


「一見香りが柔らかく親しみがあるので、弱々しく感じられるが、その実、全く混じり気がなく純粋なので、驚くほど強力な要素を持っている。そこで、次の3点に気をつけて使って欲しい」

って。

日本人には馴染みがよすぎるから、あんまり感じないみたいです。心地よすぎてすぐ一体になっちゃうので、分かんなくなっちゃうのもあるようです。

調査内容を詳しく知らせずに行うブライドアンケートでは、街中でアンケートをとると、海外のエッセンシャルオイルより日本のものが評価が高いのです。

アロマテラピストの体験記でも、

 ・「すごく純粋な感じがする」と香っていただいた方の多くが口にする

 ・次々と嗅ぎ比べても香り酔いしない

 ・柔らかく繊細な香り。海外産に比べると、刺激が少ないように感じられますが、大変優しい気持ちにしてくれます

 ・ニオイコブシは、爽やかな中にも、ほのかな甘さが感じられて、特に気に入っています。これには幸せな気持ちをもたらすドーパミンの分泌を促進すると言われているゲラニオールという成分がとても多く含まれているので、まさに、“幸福のアロマ”。幸せな気分になれ、日本産ならではの奥ゆかしさも感じられます。


また、最近アロマは、高齢者の介護やホームでも、認知症にもよいとされ、使われ始めているそうですが、日本の木々のエッセンシャルオイルは、高齢者にも馴染みがよく、懐かしさを呼び起こす、また、特に男性に好評だと言います。

抗菌効果だけでなく、加齢臭にも効果がある。

昔の森の知恵を活かしながら、多くの可能性を秘めた日本産のエッセンシャルオイルを上手に活用できるよう、多くの人が関わって研究しているところだそうです。

楽しみですね♪


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